ピラティス初心者でも必ず通るエクササイズ「ハンドレッド」。シンプルな動きに見えて、実は“腹筋・呼吸・フォーム”すべてを使う、ピラティスの基礎を凝縮したトレーニングです。この記事では、ハンドレッドの基本のやり方から、効果を引き出す7つのコツ、できないと感じたときの原因と対策、初心者がつまずきやすいポイントまで、わかりやすく丁寧に解説します。「なんとなくやってるけど効いてる気がしない…」そんな方も、この記事を読めば正しい感覚を掴めますよ。
ピラティスのハンドレッドのやり方
「ハンドレッド(The Hundred)」は、ピラティスの代表的なエクササイズで、腹筋(特に腹横筋)と呼吸を同時に鍛える基本かつ効果的な動きです。初心者でもアレンジしながら取り入れられます。
基本的なステップは以下の通りです。
ステップ1:仰向けで準備
- 仰向けになり、両膝を胸に引き寄せます。
- 首と肩を少し持ち上げ、目線はおへそを見るイメージで。
- 両腕は体の横にまっすぐ伸ばし、床から少し浮かせます。
ステップ2:足を上げる
- 膝90度の「テーブルトップ」ポジションにするか、
- 慣れている人は両足をまっすぐ伸ばして斜め45度に上げます(腰が反らない範囲でOK)。
ステップ3:腕を小刻みに動かす
- 腕を床と平行にキープし、上下に小さくポンピング(バタバタ)するように動かします。
- この時、呼吸と連動させるのがポイント。
ステップ4:呼吸とカウント
- 息を 5カウント吸って → 5カウント吐く を10回繰り返す(=100カウント)。
- 吸う時も吐く時も、しっかりと胸式呼吸を意識しましょう。
ピラティスのハンドレッドのコツ
ピラティスの「ハンドレッド(The Hundred)」を効果的に行うためのコツを、初心者にもわかりやすく解説します。正しいフォームと呼吸を意識するだけで、腹筋への効き目が大きく変わります。
① 呼吸のタイミングを「5吸って5吐く」でキープ
- 吸って5カウント → 吐いて5カウント を10回(計100カウント)。
- 吸うときも吐くときも 胸式呼吸 を使う。
- 苦しくなったら浅くてもOK。リズムをキープするのが大事。
② 腰が反らないように腹筋で支える
- 足を伸ばすと腰が反りやすくなるので、腰が浮くなら膝を曲げてOK。
- お腹を薄く引き込み、マットに背骨が優しく沈む感覚を保つ。
③ 肘をロックせず、腕はしなやかに
- 腕はまっすぐだけど、ピンと硬くならずに 肩からしなやかにポンピング。
- 力が入りすぎると肩がすくみ、首や肩が疲れやすくなる。
④ 目線はおへそ、首は長く保つ
- 顎を引きすぎると首が詰まるので、目線はおへそ、首を長くキープ。
- 首がつらい場合は、頭をマットに下ろしてもOK。
⑤ 足は下げすぎない(腰が浮かない角度)
- 足を下げすぎると腹筋の力では支えきれず、腰に負担がかかる。
- 腰が浮かない位置=45度〜垂直の間で調整する。
⑥ 肩と胸はリラックス
- 呼吸と動きに集中しながら、肩の力を抜くことを意識。
- ピラティスは「がんばりすぎない動き」が重要です。
⑦ まずは50カウントからでOK
- 初心者は100カウントにこだわらず、5回呼吸=50カウントから始めて徐々に増やす。
- 「正しいフォーム > 回数」と覚えておくと◎。
ピラティスのハンドレッドができない時の理由は?
ピラティスの「ハンドレッド」がうまくできないと感じるときには、いくつかのよくある原因があります。それぞれの理由に対して、対策も一緒に解説します。
① 腹筋(特に腹横筋)が弱い
理由:腹筋がまだ十分に使えず、腰が浮いたり首や肩に負担がかかる。
対策:
- 足を伸ばさずに膝を90度に曲げた「テーブルトップ」で行う
- 呼吸と体幹を使う別メニュー(例:デッドバグ)から始める
② 首が痛くなる
理由:首の筋力が不足していたり、顎を引きすぎて首が詰まっている。
対策:
- 頭をマットにつけたままで行ってOK(そのぶん腹筋に意識を集中)
- 首を長く保ち、目線はおへそを見るように
③ 呼吸が続かない・浅くなる
理由:胸式呼吸に慣れていない、動作と呼吸の連動が難しい。
対策:
- まずは呼吸だけを練習(5吸って5吐くを繰り返す)
- 動作の速さをゆっくりにして、呼吸を優先する
④ 腰が反って痛い・床から浮いてしまう
理由:腹筋が抜けていて、足の位置が下がりすぎている。
対策:
- 膝を曲げて高く持ち上げる
- 骨盤を軽く後傾し、恥骨をおへそに近づけるイメージで支える
⑤ 肩が上がる・腕が疲れる
理由:肩の力みによって僧帽筋が緊張し、腕の動きに余計な力が入ってしまう。
対策:
- 肩を耳から遠ざけて、腕の動きをコンパクトにする
- 手先ではなく肩甲骨から動かすように意識
⑥ カウントや回数にとらわれすぎて疲れる
理由:100カウント(10呼吸)にこだわりすぎて、フォームが崩れてしまう。
対策:
- 最初は 50カウント(5呼吸) からスタートでOK
- 「正しいフォームを優先」して、回数は徐々に増やす
ピラティスのハンドレッドの躓きポイント
ピラティスの「ハンドレッド(The Hundred)」はシンプルな動きに見えて、実は“体幹・呼吸・フォーム”の総合力が求められるエクササイズです。初心者がよくつまずくポイントとその対処法をわかりやすく解説します。
①【腰が浮いてしまう】→ 腹筋が抜けている
- 原因:足を下げすぎて腰が反ってしまう。腹圧が弱い。
- 対策:
- 足は45度より高めにキープ or 膝を曲げてOK
- 骨盤を軽く後傾(恥骨をおへそに近づける)意識で腹圧アップ
②【首がつらくなる】→ 上半身の支えが足りない
- 原因:顎を引きすぎたり、首に力が入っている
- 対策:
- 首は長く保ち、目線はおへそに
- 首がつらければ「頭をマットにつけたまま」でOK!
③【呼吸が止まる or 苦しい】→ 胸式呼吸に慣れていない
- 原因:動作に集中しすぎて呼吸を忘れがち
- 対策:
- 「5カウント吸う/5カウント吐く」だけを練習してみる
- 肋骨が横に広がる感覚をつかむと安定しやすい
④【腕の動きがバラバラ】→ 肩から動かせていない
- 原因:手先だけバタバタしてしまい、動きが雑になる
- 対策:
- 腕は肩甲骨から動かすイメージでしなやかにポンピング
- 小さく・速く・リズム良くがコツ
⑤【肩がすくんで首が縮こまる】→ 肩に力が入りすぎ
- 原因:体全体が力みすぎている
- 対策:
- 肩を「耳から遠ざける」意識
- 吐く息で肩の力を抜くように
⑥【100カウントが長すぎて続かない】→ 無理な目標設定
- 原因:回数にこだわりすぎてフォームが崩れる
- 対策:
- まずは 5呼吸=50カウント から始めてOK
- 慣れたら少しずつ回数を増やす方が、継続しやすい
まとめ
ピラティスのハンドレッドは、一見シンプルでも正しいフォームと呼吸を意識することで、体幹や腹筋にしっかり効くエクササイズです。
最初から完璧に100カウントできなくても大丈夫。むしろ「正しくできているか」に目を向けながら、50カウントから少しずつ慣れていくことが何より大切です。
腰が浮く、首がつらい、呼吸が苦しい――そんなときは“無理せず戻る”ことが、上達の近道。
まずは今日から、呼吸と動きを丁寧に意識しながら、自分のペースで「効かせるハンドレッド」に取り組んでみてくださいね。
身体の芯から目覚める感覚、きっと感じられるはずです。
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